健康のバロメーターをセルフチェック!! Vol.1 便をチェックしよう!

体のだるさや胃腸の不調など、体調不良を感じたという方も多いのではないでしょうか。日頃、体はさまざまなメッセージを出して、私たちに体の異変や不調を知らせてくれています。

そこで、今回から2回にわたって日常生活の中でセルフチェックできる「健康のバロメーター」をご紹介します。自分で体の変化をチェックして、体調管理ができるといいですね。


       
 
便は健康のバロメータ
まずは、自分の便をチェックしてみましょう。便は、胃腸の健康を把握するための大切な情報源です。色や形、量やにおいなどは、今のあなたの健康状態を反映しています。

 
色で腸内環境をチェック!
便の色は、「ビリルビン」という物質に影響を受けます。ビリルビンは、血液中のヘモグロビンの寿命が尽きて、肝臓で分解されたもので、胆汁という消化液の主な成分です。酸性だと黄色や茶色っぽい茶色、アルカリ性だと黒っぽい色に変化する特徴があり、私たちの食べたものは十二指腸で胆汁と混ざり便となって排出されるため、便の色は腸内環境を知る手がかりになります。

例えば、腸内環境を良好にする善玉菌が優勢になると腸内は酸性に傾いて、便は黄色や茶色っぽい黄色になります。一方で、腸内環境を悪化させる原因とされる悪玉菌が優勢になると腸内はアルカリ性に傾くため、便が黒っぽくなります。
あなたの便はどんな便?
次は、便の水分量とともに便の種類をみていきましょう。

 

-便の水分量と便の種類-
水分量
種類
 説明
少ない


カチカチコロコロ型

水分はおよそ60%程度で、腸内は悪玉菌が優位で便秘になりがちです。
黒褐色で、匂いはツンとした悪臭があります。食物繊維と水分をしっかりとって便秘を解消するように心がけましょう。
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バナナ型

水分は75~80%程度の健康的な便です。黄色~黄褐色で、匂いもキツくなく、いきまずに排泄できます。善玉菌が優位で健康な状態ですので、毎日バナナ型を目指しましょう!
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ひょろひょろ型

水分は85%程度で、匂いもキツく、黒褐色です。水分の取りすぎや、消化不良の他にも、ストレスで自律神経が乱れていたり、お腹周りの筋肉が少なく便を押し出す力が弱かったり、ダイエットによる食事量不足で便の量が少なくなっているなどの原因もあります。自分の生活で思い当たることがあるか振り返ってみましょう。
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べちゃべちゃ型

水分はおよそ90%以上で、悪玉菌が優位な状態の下痢です。暴飲暴食やストレス、感染症などが主な原因ですので、続くようであれば受診しましょう。
多い
カチカチびちゃびちゃ型
排便時間が定まらずに、下痢と便秘を繰り返す状態です。主な原因はストレスで、腸内で水分吸収異常が起きています。
 
病気が隠れている可能性が高い便
〈赤い便〉
赤い便は、大腸や肛門からの出血があるときに多くみられます。主な原因は、大腸がんや潰瘍性大腸炎などの大腸からの出血や、いぼ痔や切れ痔など、肛門に近い部分での出血です。大腸出血による便は、大腸のどこで出血しているかにもよりますが、赤黒い色をしています。
一方、痔による出血の場合は鮮明な赤色をしています。痔疾患で出血が頻繁にある方は、大腸での出血を見過ごしてしまいがちなので、しっかりチェックしてみましょう。

〈黒い便〉
真っ黒のドロドロした便はタール便と呼ばれ、食道や胃、十二指腸、小腸などの消化器官の上部で出血している可能性があります。これは、胃酸によって血液が酸化されて黒くなり、便に混ざって排泄されるためです。胃・十二指腸潰瘍や胃癌、食道静脈瘤破裂などの疾患でみられますが、少量の出血の場合はタール便にはならないので、タール便が出ているときには出血量が多いと考えられます。出血による貧血にも繋がりますので、早めに受診をしましょう。
※海苔やひじきなどの黒い食品をたくさん食べた後や、鉄剤を飲んでいる場合に鉄が酸化して便が黒くなることがあります。また、便秘で黒いコロコロの便が出ることもありますが
、それらとは区別して判断しましょう。

〈白い便〉
色のない白い便が出ることもあります。一時的な場合の原因として多いのが、暴飲暴食です。便の色は胆汁の主成分であるビリルビンによるものですが、暴飲暴食により胆汁の分泌が不足することで白い便になります。肝機能がSOSを上げるほどの暴飲暴食は避けましょう。また、肝臓や胆のう(胆汁をためておく臓器)に炎症があると、胆汁が分泌できなくなってしまい、白い便がでます。その時手のひらや目の白い部分が黄色くなっている場合には、ビリルビンが胆汁となって体外へ排泄されずに、血液中のビリルビン濃度が高くなっていることが考えられます。処置が必要な状態が多いので、早めに受診してください。
※胃腸薬や下剤を使用していると、薬に含まれる成分によって白くなることもあります。

 

毎朝の「便り」をしっかりチェックして、胃腸を健康に保ちましょう